アスピリンは日米欧のガイドラインにおいて、脳梗塞慢性期のための投与がグレードA,クラス㈵で推奨されている唯一の抗血小板薬です。
- 二次予防には、抗血栓療法が推奨される(クラスI、レベルA)。
- 抗凝固療法を必要としない場合は、抗血小板療法が推奨される (クラスI、レベルA)。可能であれば、アスピリンとジピリダモール*1との併用投与またはクロピドグレル単剤投与を行う。代わりに、アスピリン単剤投与またはtriflusal*2単剤投与を採用してもよい(クラスI、レベルA)。
- 最近、脳梗塞を発症した患者の場合、特別な適応(不安定狭心症や非Q波心筋梗塞、最近ステント留置を施行した場合など)がない限り、アスピリンとクロピドグレルとの併用投与は避ける方がよい。なお、この2剤を併用投与する場合は、脳梗塞発現から最長9ヵ月までの投与に留めるべきである(クラスI、レベルA)。
- 抗血小板療法施行中に脳卒中を発現した場合は、病態生理および危険因子の再評価を行うことが推奨される(クラスⅣ、GCP)。
- 心房細動に合併した脳梗塞には、経口抗凝固療法(INR 2.0~3.0)が推奨される(クラスI、レベルA)。ただし、転倒リスクが高い場合、服薬コンプライアンス不良の場合、コントロール不良のてんかん発作を来す場合、消化管出血が認められる場合、経口抗凝固療法は推奨できない(クラスⅢ、レベルC)。高齢であるということだけでは、経口抗凝固療法の禁忌にはならない(クラスI、レベルA)。
- 心房細動とは無関係の心原性脳塞栓症患者で、再発リスクが高い場合は、抗凝固薬の投与(INR 2.0~3.0)が推奨される(クラスⅢ、レベルC)。
- 非心原性脳梗塞患者には、抗凝固療法は勧められない。ただし、大動脈のアテローム硬化、脳底動脈の紡錘状動脈瘤、頸動脈解離、卵円孔開存に深部静脈血栓症(DVT)または心房中隔動脈瘤を合併している場合などの特定の状態にある患者を除く(クラスⅣ、GCP)。
- 経口抗凝固療法が禁忌の場合は、低用量アスピリンとジピリダモールとの併用投与が推奨される(クラスⅣ、GCP)。
Cerebrovasc. Dis. 2008; 25: 457-507
| *1: | ジピリダモール:アスピリンとの併用による脳梗塞再発予防は本邦での承認効能に含まれていない。 |
| *2: | triflusal: 本邦では承認されていない。 |





