ESOガイドライン2008

アスピリンは日米欧のガイドラインにおいて、脳梗塞急性期(48時間以内)の投与がグレードA、クラスⅠで推奨されている唯一の経口抗血小板薬です。

欧州脳卒中機構(ESO)脳梗塞およびTIAの管理に関するガイドライン2008

特異的な治療法に関する推奨事項

  • 脳梗塞の発現後3時間以内に、10%を急速静注投与し、残りを60分かけて点滴投与する経静脈的rt-PA血栓溶解療法(0.9mg/kg体重、最高90mg)が推奨される(クラスⅠ、レベルA)。
  • 経静脈的rt-PA血栓溶解療法は、発現後3時間以上経過した脳梗塞急性期にも有用であると思われる(クラスⅠ、レベルB)が、通常の臨床現場では推奨できない。
  • 血栓溶解療法に適する患者選択に多様な画像を用いた基準を用いることは有用であると思われるが、通常の臨床現場では推奨できない(クラスⅢ、レベルC)。
  • 血圧が185/110mmHg以上の場合、血圧を低下させてから血栓溶解療法を施行することが推奨される(クラスⅣ、GCP)。
  • 神経脱落症状が急性脳虚血によるものであれば、脳梗塞発現時にけいれんを来した症例にも、経静脈的rt-PA血栓溶解療法が推奨される(クラスⅣ、GCP)。
  • 現行の欧州における適応外使用になるが、18歳未満でも80歳超でも、特定の症例には経静脈的rt-PA血栓溶解療法を行っても差し支えない(クラスⅢ、レベルC)。
  • 急性中大脳動脈閉塞に対しては、発現から6時間以内の経動脈的治療が選択肢のひとつとして推奨される(クラスⅡ、レベルB)。
  • 特定の症例では、急性脳底動脈閉塞に対して、経動脈的血栓溶解療法が推奨される(クラスⅢ、レベルB)。脳底動脈閉塞に対する静脈内血栓溶解療法は、発現後3時間以上経過しても、選択肢として認められる(クラスⅢ、レベルB)。
  • 脳梗塞発現後48時間以内に、アスピリン(初回投与量160~325mg)を投与することが推奨される(クラスⅠ、レベルA)。
  • 血栓溶解療法を予定している場合または施行した場合は、24時間以内にアスピリンをはじめとする抗血栓薬の投与を開始することは避けるべきである(クラスⅣ、GCP)。
  • 脳梗塞急性期の場合、他の抗血小板薬の(単剤および併用)投与は避ける方がよい(クラスⅢ、レベルC)。
  • グリコプロテインⅡb/Ⅲa阻害薬*の投与は推奨できない(クラスⅠ、レベルA)。
  • 脳梗塞急性期の治療に、未分画ヘパリン、低分子ヘパリンまたはヘパリノイドを早期に投与することは避ける方がよい(クラスⅠ、レベルA)。
  • 神経保護薬を用いて脳梗塞を治療することは、今のところ推奨できない(クラスⅠ、レベルA)。

Cerebrovasc. Dis. 2008; 25; 457-507

*:グリコプロテインⅡb/Ⅲa阻害薬は本邦では承認されていない。

アスピリン腸溶錠の速やかな効果発現

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