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[2007年11月15日 (VOL.40 NO.46) p.37]

特別企画

Bayer Stroke Forum 2007: Combination Therapy for Stroke

抗血小板療法の最新動向

欧米の専門家が臨床的注目点を説く

篠原 幸人 氏 棚橋 紀夫 氏 片山 泰朗 氏
篠原 幸人 棚橋 紀夫 片山 泰朗

 先ごろ東京でBayer Stroke Forum 2007(世話人:篠原幸人氏)が開催された。"Combination Therapy for Stroke"を主題に掲げ,講師として招かれた欧米の専門家3氏が,脳卒中の治療・予防における抗血小板療法の最新動向を紹介した。
 フロンティア・セッション(座長:棚橋紀夫氏)でイタリアのCarlo Patrono氏は,アスピリンレジスタンスの概念と評価の在り方に疑問を投げかけ,その実相を見極める重要性を訴えた。クリニカル・セッション(座長:片山泰朗氏〔講演1〕,篠原幸人氏〔講演2〕)では,米国のPhilip B. Gorelick氏が脳梗塞再発予防に有効な抗血小板療法と多面的なリスク管理について,Kevin M. Cockroft氏が脳血管外科・血管内治療における抗血小板療法の現状について解説した。

篠原 幸人 氏 国家公務員共済組合連合会立川病院 院長
棚橋 紀夫 氏 埼玉医科大学国際医療センター 教授・脳卒中センター長
片山 泰朗 氏 日本医科大学内科神経・腎臓・膠原病リウマチ部門 主任教授
フロンティア・セッション
Carlo Patrono 氏

アスピリンレジスタンス:事実か流行か?

イタリア・カトリック大学薬理学 教授 Carlo Patrono

 抗血小板薬アスピリンは脳・心血管イベントの抑制に有用であるが,その効果が現れない例も存在する。効果への期待が大きいだけに,臨床家はアスピリン使用例に見られるレジスタンス(抵抗性)の問題に注目している。しかし,「アスピリンが効かない=アスピリン抵抗性」と判断するのは早計である。Patrono氏は「近年"アスピリン抵抗性"に関する報告が相次ぎ,流行語化する様相も見受けられる。事実と不明な点を明らかにしながら,この問題を考えたい」と述べ,講演を始めた。

アスピリン抵抗性のみが血管イベントの再発原因ではない

図1

 Patrono氏はまず,アスピリン抵抗性をめぐる根本的な問題を概説し,臨床家の対応に懸念を示した。
 アスピリン抵抗性に関する文献をインターネットの科学情報検索サイトPubMedで調べると,1,000件以上検出される。うち2006年に発表されたのが約150件,2007年は 8 月末時点で約80件に上る。だが,今のところアスピリン抵抗性の定義やメカニズム,頻度,臨床的意義は明確になっていない。抵抗性の評価法も施設や医師によって異なる。
 にもかかわらず"検査"の結果に基づき,治療法を見直す医師が少なくない。同氏は「アスピリン抵抗性と判断される例には"治療の失敗"も含まれる。アスピリンの血管イベント抑制効果は証明されているが,すべてのイベントを100%防ぐわけではない」と強調した。
 かつて同氏は,薬物療法で血管イベント発生を免れた症例数を縦軸,プラセボ群での血管イベント発生率を横軸とする図上に,種々の無作為化臨床試験の成績をプロット。これを解析し,リスクが高くなるにつれて血管イベント発生予防例数が増えることを見出した(図1)。血管イベントの発生率と抑制率には直線関係が存在し,直線の傾きが示すアスピリンの相対リスク抑制率は,リスクの程度にかかわらず約25%と計算された。ちなみにスタチン・降圧薬の投与時も同様の関係が示され,各薬の相対リスク抑制率も約25%であった。すなわち各薬物療法の絶対ベネフィットは血管イベント発生リスクに規定され,各薬を単独で用いた場合,4 件のイベントのうち 3 件は防げないことが示唆されたわけである。
 同氏は「アテローム性血栓症は多因子疾患であり,アスピリンはそれらの因子の 1 つである血小板活性化を抑制する役割をおもに担っている。血管イベントの再発がすべてアスピリン抵抗性を意味するのではない」と語った。

「アスピリン抵抗性の臨床的意義を示す研究」に異議あり

 次にPatrono氏は,アスピリン抵抗性の臨床的意義を示すエビデンスとして,しばしば引用されるGumらの研究(J Am Coll Cardiolo 41: 961, 2003)の問題点を指摘した。
 同研究では,冠動脈疾患例に低用量アスピリンを 2 年間投与。治療開始時にアスピリンの血小板凝集能抑制効果が減弱していた群(アスピリン抵抗性群)17例と,そうでなかった群(アスピリン感受性群)309例の主要血管イベント発生率を比較した。すると,抵抗性群のイベント発生率は24%で,感受性群の10%と比べて有意に高かった。
 この結果について,同氏は「仮にプラセボ群を設けていたら,感受性群のイベント発生率10%と先述したアスピリンの相対リスク抑制率(約25%)から,プラセボ群のイベント発生率は12〜13%と推定される。抵抗性群のイベント発生率が,これを大きく上回るのは理論的に説明がつかない」と首をかしげた。そのうえで,次の 3 点が問題であるとの見方を示した。
 (1)アスピリン服用の確認が十分でない(血中サリチル酸濃度測定や錠剤計数は行われていない)。(2)血小板凝集能を治療開始時のみで評価し,その後の変動を考慮していない。(3)総イベント数が少なすぎるため,アスピリン抵抗性に伴う臨床的帰結を過小あるいは過大に評価している可能性がある。
 これらに関しては,Gumらも研究の限界として言及している。しかし,同氏は「論文発表された結果と結語の間の乖離が大きすぎる。アスピリン抵抗性の臨床的意義を示す研究として支持し得ない」と明言した。

アスピリン抵抗性を見極める理想的指標は血清TXB2濃度

図2

 続いてPatrono氏は,さまざまな血小板凝集能の測定結果を示し,その不確実性を明らかにした。
 アスピリンは,血小板シクロオキシゲナーゼ(COX)-1活性を抑制し,トロンボキサン(TX)A2生合成を阻害して血小板凝集能を抑制する。血小板凝集は,ex vivoでアデノシン二リン酸(ADP)やアラキドン酸などを多血小板血漿に添加すると誘発される。血小板凝集能は,その血漿の光透過性の測定によって評価される。ただし血小板凝集能は,心理ストレス・年齢・性・人種・食事・ヘマトクリット値によって変化する可能性がある。血小板凝集能の変化と,in vivoでの血小板の活性化や抑制との関係も解明されていないという。
 同氏らは最近,健康成人に低用量アスピリン(100mg/日)を 1 〜 8 週投与し,血小板凝集能の変化を調べた。するとADP誘発性血小板凝集能は,投与 3 週後に最も抑制され,1 〜 6週後は投与前と比べて有意に抑制され続けた。しかし 7 週後から有意差はなくなり,8 週後に投与前の水準に戻った。一方,アラキドン酸誘発性血小板凝集能は,投与後 1 〜 8 週を通じて有意に抑制された。急速血小板機能検査(VerifyNow Aspirin Assay)でも,血小板凝集能は投与 1 〜 8 週後に持続的かつ有意に抑制されていた。なお,こうした変動パターンには個人差があり,同一人であっても変動幅が大きいこともわかった。
 さらに同対象の血清TXB2(TXA2の安定加水分解物)および尿中11-デヒドロTXB2の濃度を測定したところ,アスピリン投与 1 週後から,いずれも有意に抑制された(図2)。しかし,血小板凝集能をアスピリン抵抗性の閾値以上群と閾値未満群に分けて解析すると,いずれのTXB2濃度も両群間で有意差が示されなかった。
 以上の検討結果を踏まえ,同氏は「血小板凝集はあいまいな現象で,臨床的診断の対象とはなり得ない。このため米国胸部疾患学会(ACCP)や欧州心臓学会(ESC),国際血栓止血学会(ISTH)は血小板凝集能の検査,それを考慮した治療の変更に反対する勧告を出した。一方,TXA2生合成はアスピリンの抗血小板作用を直接反映するから,血清TXB2濃度の測定はコンプライアンスの不良や血小板COX-1阻害の程度を推し量る理想的指標になる」と説明した。

薬力学的相互作用や炎症反応亢進などの解明も期待される

 では,アスピリン投与で十分な抗血小板作用が得られないのはどのような場合か—。Patrono氏は,(1)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)との薬力学的相互作用,(2)炎症反応亢進,(3)血小板ターンオーバーが関与する可能性を指摘。その根拠として最近の報告例を提示した。
 (1)については,例えば抗血小板作用はアスピリンとイブプロフェンを併用すると減弱するが,アスピリンとCOX-2阻害薬の併用時は減弱が見られないとの報告がある(N Engl J Med 345: 1809, 2001)。同氏は「イブプロフェンは,アスピリンによる血小板COX-1の不可逆的不活性化を妨げる。その臨床的意義の本質は不明であるが,アスピリンを服用している患者には,その効果を妨げないNSAIDsを選択するといった工夫が求められる」と補説した。
 (2)(3)は,Eikelboomらの研究からうかがえる。彼らは,アスピリン療法中の高リスク患者における持続的なTXA2生合成が,他の因子から独立した血管イベント発生リスクの予知因子となると報告(Circulation 105: 1650, 2002)。COX-2活性化に伴う炎症や血小板再生の増強を介し,TXA2生合成が新たに生じる可能性をも示唆した。同氏は「この臨床的意義は現在,脳血管疾患例に対する低用量アスピリンとTXA2受容体拮抗薬の効果を比較する無作為化試験で検討されている」と付言し,講演を締めくくった。


クリニカル・セッション 講演1
Philip B. Gorelick 氏

脳梗塞再発予防のための併用療法:抗血小板薬と多面的リスク管理

米国・イリノイ大学神経学・リハビリテーション学 主任教授 Philip B. Gorelick

 初めにGorelick氏は,脳・心血管疾患に見舞われる患者が世界的に増加するなか,新たな脳卒中予防戦略が求められている現状を概説した。

脳卒中予防において重要性を増す多面的リスク管理の視点

 脳卒中予防では従来,高血圧・脂質異常・糖尿病・頸動脈狭窄などのリスクを同定し,各リスクを個別に治療することが目標とされてきた。だが,個々の脳・心血管リスク因子は複雑に関連しており,完全に分離できるわけではない。今日では,リスク全体を考慮した予防に重点が置かれている。
 米国高血圧学会(ASH)が2005年に提案した高血圧の新定義には,血圧値だけでなく,耐糖能異常や肥満,高コレステロール血症などの代謝関連因子も含まれた。こうした概念の見直しは,実際の脳卒中予防にも反映されている。米国では,まず典型的リスク因子のスクリーニングを行い,Framingham Stroke Profileなどで脳卒中発症リスクの程度を分類。低リスク患者にはライフスタイルの改善を指導し,中等〜高リスク患者は抗血小板薬・高脂血症治療薬・降圧薬を用いて積極的に治療されている。

脳・心血管イベントの予防に低用量アスピリン投与が有用

 次にGorelick氏は,多面的な脳卒中予防戦略における抗血小板療法の位置付けについて解説した。
 アスピリンをはじめとする抗血小板薬が脳梗塞患者の脳・心血管イベント予防に有用であることは,種々の治療ガイドラインで評価されている。米国心臓協会/米国脳卒中協会(AHA/ASA)は2006年,非心原性脳梗塞または一過性脳虚血発作(TIA)の既往例に対する抗血小板療法の在り方を明示。初期治療としてアスピリン50〜325mg/日,アスピリン25mg/日+徐放性ジピリダモール200mg/日×2,クロピドグレル75mg/日を推奨した。ただし,同氏は「アスピリン以外の抗血小板薬に関しては,データの蓄積が十分ではないとAHA/ASA脳卒中予防ガイドラインに明記されており,留意すべきである」と付言した。
 アスピリン療法については,低用量でも十分な効果が得られることが確認されている。脳梗塞またはTIA例に対するアスピリン療法の用量別効果をメタ解析すると,全体の血管イベント発生は対照と比べて約15%低く,用量別効果に有意な差は認められなかった()。
 抗血小板薬の併用については,さまざまな大規模臨床試験で検討されているが,定評が得られていない。単独療法と併用療法の効果は同等であるが,併用療法では単独療法と比べて出血リスクが高いことが示されている。AHA/ASA脳卒中予防ガイドラインは,アスピリンとクロピドグレルの併用による出血リスクの増大を懸念し,両薬の日常的な併用を推奨していない。
 同氏は「現時点では脳梗塞再発予防において,アスピリンの有用性を凌駕する抗血小板薬を見出すのは困難である」との見解を示した。

降圧・抗血小板療法を基礎に多面的リスク管理を図るべき

 最後にGorelick氏は,脳卒中予防における脳・心血管リスク因子管理の多面的アプローチを総括した。
 米国では,脳卒中の再発予防のみならず一次予防においても,高血圧がきわめて重要なリスク因子として認識されている。脳梗塞再発予防には,高血圧治療とともにアスピリン療法に力点が置かれる。さらに脂質や心房細動,糖尿病の管理・是正,喫煙や飲酒過多,肥満,運動不足といった生活習慣の改善を図り,多面的リスク管理に努めることが重視されている。
 他方アジアでも,2006年に高血圧例の脳卒中リスク低減に向けたアジア会議の勧告()が発表されるなど,高血圧治療や抗血小板療法の重要性が周知されつつある。同氏は「米国と同様,適正な降圧・抗血小板療法と生活習慣改善による,積極的かつ長期的な脳卒中予防が期待される。血圧コントロール戦略は,地域住民・行政を巻き込んで策定していくことが望ましい」と結んだ。


クリニカル・セッション 講演2
Kevin M. Cockroft 氏

脳血管外科・血管内治療における抗血小板治療

米国・ペンシルベニア州ミルトン・S・ハーシー医療センター脳血管外科・血管内治療学 准教授 Kevin M. Cockroft

 Cockroft氏は,閉塞性ならびに出血性の脳血管疾患に対する脳血管外科・血管内治療を紹介し,周術期の抗血小板療法の実際を解説した。

CEA/CAS施行前後は低用量アスピリン療法が基本になる

表1

 米国の脳血管外科・血管内治療でよく用いられている抗血小板薬は,アスピリン,クロピドグレル,非可逆的グリコプロテインIIb/IIIa阻害薬abciximab(本邦未承認)である。各薬は,病態の種類や程度,術式,周術期の経過によって使い分けられ,時に併用される。抗血小板薬以外の薬剤と併用することもある。エビデンスが確立していない,臨床家の判断が分かれる用法も少なくなく,抗血小板療法は一筋縄では行かない。
 そこでCockroft氏は,閉塞性脳血管疾患の外科手術・血管内治療例を提示。頸動脈狭窄病変に対する頸動脈内膜剥離術(CEA)と頸動脈ステント留置術(CAS),頭蓋内動脈硬化性疾患への頭蓋内動脈血管形成・ステント留置術,急性脳梗塞発症時の血栓溶解術の順に,最新知見を交えながら,同氏らによる抗血小板療法を紹介した。
 同氏の施設には,CEA施行のガイドラインがある。症候性の頸動脈狭窄病変の場合,狭窄率50%以上が適応と判定される。狭窄率50%未満でも潰瘍性プラークを伴う例,抗血小板療法が奏効せず症状が持続する例には施行を考慮する。狭窄率の閾値は当初70%としていたが,NASCET(1991/1998)での成績を踏まえ,50%に変更したという。一方,無症候性へのCEA施行については,ACAS(1995)において狭窄率60%以上例でベネフィットが示された。しかし薬物療法が進歩し,現在は狭窄率80%以上になるまでCEAを行わないことが多い。また,CEAや他の頭頸部手術,頸部放射線治療の既往例は,CASの適応の有無を検討する。
 CEA周術期の抗血小板療法は,CEA施行の前後に行っている(表1)。施行前はベース薬として低用量アスピリンを使い,施行 1 週前からはクロピドグレルを併用する。施行時は抗血小板療法を中止し,ヘパリンを用いる。そして施行後はアスピリン投与を再開。クロピドグレルを 6 週併用し,以降はアスピリン単独療法を継続する。
 CAS周術期の抗血小板療法については,CEAとほぼ同じである。施行時のヘパリン療法のみ異なる。CAS施行時はステント血栓症が懸念されるため,ヘパリン中和を行わず,投与後15〜30分ごとに活性化全血凝固時間(ACT)をチェックしている。

急性脳梗塞に対する血栓溶解術後はアスピリンで再発予防

 ところで米国では,年間約 6 万人が頭蓋内動脈硬化性疾患に見舞われる。この疾患に伴う脳卒中リスクは年間 7 〜24%と推定されている。臨床上看過できないが,現時点で最適の管理法は同定されていない。
 症候性頭蓋内動脈狭窄を有する脳梗塞またはTIA患者569例を対象としたWASID(2005)では,ワルファリンと高用量アスピリンの有効性と安全性を比較。その結果,主要エンドポイント(脳梗塞・脳出血・その他の血管死)は両群間に有意差が認められなかったが,死亡と重大な出血のリスクはアスピリン投与群で有意に低かった。
 急性脳梗塞に対しては,発症後の経過時間に応じた血栓溶解術を選択する。Cockroft氏は「発症後 3 時間以内は遺伝子組み換え型組織プラスミノゲンアクチベータ(rt-PA)による静脈内血栓溶解,6 時間以内はrt-PAによる動脈内血栓溶解,8 時間以内は血栓除去デバイスMERCI Retriever(本邦未承認)などの機器を用いた血栓溶解を試みる。いずれにしても再発予防の観点から,術後24時間以内にアスピリン投与を開始することが重要である」と述べた。

頭蓋内血管治療前後も低用量アスピリンがベース薬となる

表2

 続いてCockroft氏は,出血性脳血管疾患の血管内治療として動脈瘤に対するコイル塞栓術,バルーンアシスト塞栓術,ステント併用瘤内塞栓術を例示。周術期に行われる抗血小板療法の実際を明らかにした。
 術前に必須の抗血小板薬はないが,通常アスピリンをベース薬としてクロピドグレルを追加するか否かが検討される。高齢で動脈硬化リスクを有する例は低用量アスピリン,バルーンアシストや親血管の処置を要する例にはクロピドグレルを投与する。また,ステント留置が予定されている場合,低用量アスピリンを使うが,術前 1 週前からはクロピドグレルを併用する。
 術中はCASと同様のレジメンで臨むが,コイル周囲の血管に凝固を認める場合,米国ではabciximabが第一選択となる。緊急ステント留置時はクロピドグレルを高用量で使い,その効果発現を待たずにabciximabを半量から投与し始めることが多いという。術後,ステント留置例には低用量のアスピリンとクロピドグレルを 6 週併用する。術中の血栓形成が懸念される場合や,動脈瘤基底部に大きなコイルを留置する場合は,アスピリン投与の継続を考慮する。
 最後に同氏は,脳血管外科・血管内治療における脳梗塞予防に向けた抗血小板療法の要点を整理(表2)。「第一選択はアスピリン単独療法。CEA周術期はアスピリンとクロピドグレルの併用,血管形成・ステント留置術はヘパリン±アスピリンが重要と考える。ステントやコイルの留置術時はアスピリンをベース薬としながら,クロピドグレルを 6 週程度併用する」と述べ,講演を終えた。

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