特別企画2006年3月20日(月)パシフィコ横浜
頭蓋内脳血管狭窄病変に対する抗血小板療法
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| 植田敏浩氏 | 滝 和郎氏 |
頭蓋内脳血管狭窄病変はアジアで多く見られる脳梗塞の病態であるが,治療は困難であり,そのエビデンスは現在のところ未確立とされている。植田氏は,現在得られている頭蓋内脳血管狭窄に対する臨床成績を踏まえ,その治療の考え方およびそこにおける抗血小板療法の有用性について解説した。
演者 植田敏浩氏
東京都済生会中央病院 脳卒中センター 脳血管内治療科医長
座長 滝 和郎氏
三重大学大学院 脳神経外科教授
頭蓋内脳血管狭窄は本邦に
多い疾患であり有効な治療の確立が注目されている
近年,頭蓋内脳血管狭窄の機序として,塞栓が注目されている。症候性脳梗塞387例中ドプラー法により中大脳動脈に狭窄を認めた29例において,6か月後に25%の狭窄部位が消失していたという報告があり(Segura T et al. Neurology 2001;56:497-501),このような狭窄は塞栓性であったと考えられる。
頭蓋内脳血管狭窄を認める脳梗塞既往患者に
対する薬物治療としてアスピリンは有用である
しかし,アスピリンと他の抗血小板薬の併用により血小板凝集抑制効果を高めることは,リスクベネフィットの観点から慎重に検討すべきであるという知見が得られている(表1)。
血管拡張術は症候性で
内科的治療に抵抗性の症例が適応
血管拡張術に関する成績として,まず経皮的血管拡張術(PTA)においては,小さなバルーンを用いた緩徐な拡張が血管解離防止に有効であるとされている(Connors JJ 3rd et al. J Neurosurg. 1999;91:415-423)。PTA後に再治療が必要な場合はステントの適応となるが,中大脳動脈に対するステント留置は急性期合併症リスクが極めて高いことが報告されており(Lee TH et al. AJNR Am J Neuroradiol. 2005;26:166-174),わが国の脳血管内治療専門医による2000縲鰀2004年の595例に対する血管内治療の成績でも,急性期合併症が10%弱に認められている。
以上をまとめると,頭蓋内病変に対する内科的治療は出血性合併症が問題とされる抗凝固療法よりも,アスピリンを基本とした抗血小板療法を中心に行うべきであるということが,これまでの大規模臨床試験の結果から示唆された。血管拡張術は限局した病変を対象に低侵襲の手技で施行すれば比較的良好な結果が期待できる。だが,血管解離,再狭窄の問題は未解決であり,また本邦では頭蓋内脳血管専用ステントも使用できない。このため,現在のところは症候性病変で,内科的治療に抵抗性の高度狭窄例で考慮することが望ましいと考える。
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