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抗血栓療法Q&A

硝子体手術、緑内障手術時の抗血栓療法は原則休薬か
国立病院機構九州医療センター眼科医長 江内田寛先生

 これらの手術は術中の眼内圧の変動が大きく白内障手術と比較し出血のリスクが高いため、手術の際には主治医と相談の上で休薬することを基本としています。いずれの疾患でも抗血栓療法を休薬する場合、丁寧な説明を行った上で、同意書を取得するようにしています。

 私は硝子体手術を専門にしていますが、その7割は増殖糖尿病網膜症あるいは糖尿病黄斑浮腫といった全身疾患を有する患者です。このような例や、網膜細動脈瘤や加齢黄斑変性に伴う硝子体あるいは網膜下の手術などでは、術中の大出血も少なくありません。一方、機械弁留置例などの血栓・塞栓症リスクの高い患者では、主治医とヘパリン置換の必要性を協議しています。

 ワルファリン休薬の場合、半減期が長いため、完全に失活させるのに3-5日かかります。その間、塞栓症リスクが上がるので、手術に先行して入院する必要があります。硝子体手術の場合、比較的長期の入院が可能なので、そのような対応も可能になります。

 眼科手術で一度出血が起こると、圧迫や結紮による止血は難しく、通常は熱凝固か灌流圧を上げて止血します。硝子体手術では制御不能な出血に陥る例があり、緑内障手術で周辺の虹彩切開を行う際、誤って毛様体を引っかけ前房も含めて硝子体側に内出血を起こすケースがあります。やむなく抗血栓薬の休薬ができない場合は、術中の十分な鎮痛を心がけ、慎重な上にも慎重に手術を行うことが必要です。


表.眼科手術における抗血栓薬の取り扱い(九州医療センター)


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